『同じ視線』


ボクはあとどれくらいあの人と向きあって会話が出来るのだろうか。

あの人が観てきた景色。

それは、かつてのボクが観る事も知る事も出来なかった景色だった。

しかし、結婚、出産を通してボクはようやくあの人と同じくらいの視線で景色が観れるようになってきた。

そして今、毎日のようにその真新しい景色と出会う喜びと衝撃に振り回されている。

そんな日常の中で少しずつ解り始めた事もある。

それは、同じくらいの視線で観ているが故に解るあの人の姿。

かつては霞んですらあったあの人の背中を、輪郭を、ようやくボクの瞳で捕える事が出来てきたのだ。

本当、ようやくだ・・・

ボクはこれからあとどれくらいあの人と同じ時間軸を、同じ大地を歩めるのだろうか。

どれだけ魂のやり取りが出来るのだろうか。

ボクはまだあなたと同じ視線で景色を観ていない。

だから、少し深呼吸をして待っていてほしい。

ボクがあなたと同じ視線で景色が観れるようになるまで。

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