混ざった新芽と落ち葉を溶かした夕陽が
チャイルドシートに乗せた君の横顔に優しく射し込む
僕は
その眩い笑顔をバックミラー越しに見つめながら
ハンドルを軽く握る
「今日は公園楽しかったねえ。」
「次は何処にいこうか。」
そんな会話を二人で交わし合いながら
リズムを刻むようにアクセルを軽く踏み込む
何気ない瞬間
でも
大切な大切な瞬間
はたして
これから大人になっていく君は
こんなさりげない瞬間でも覚えているのであろうか。
いや
別に覚えてなくてもいいんだ
こんな瞬間を共有出来たという事実を僕自身が覚えていれば
でも
僕は君の未来に
どんなささやかな瞬間でもいい
君と歩んだ記憶を残してあげたい
そう
今のように車ごと二人を包み込んでいるこの夕陽のような
優しい記憶を
君の心が満ち溢れるくらいに