娘と二人でお風呂
お風呂用クレヨンと共に、僕らは時間旅行に出る
空にはたくさんの風船が浮かび、
手にはポップコーン、
僕らは、
七色の虹を滑りおり、
ふわふわの雲をつきぬけ、
一両編成のクレヨン列車に飛び乗る
さあ、風呂場一杯に広がる様々な世界へ出発だ
お花が一面に広がる世界
浮き上がった数字達が歩き回っている世界
虫がうじゃうじゃいる世界
いろいろな色に満ちあふれた世界
お菓子が一杯の世界
ぼくらは、クレヨンがすり減っていくのも気にせず
ただただ、娘の頭の中に敷かれたレールを辿って行く
ケラケラと二人で笑いながら
のぼせるのも忘れて
クレヨン列車は何処までも進んで行くんだ
でも、突然旅の終わりは訪れる
扉越しに聞こえてくる「いつまで入っているの!!」という怒り声
僕らの今日の時間旅行は、その瞬間に終わるんだ
そしたら、お湯をかけて、今日辿って来た軌跡を洗い流しお片づけ
「明日は、どこへ行こうか?」
「ナ・イ・ショ」
そんな言葉を交わしながら
僕らはきっと
明日もお風呂時間旅行に旅立つことだろう
かけがえのない時間を求めて